※小鳥視点シナリオより―― 【蘭】 「顔、上げてよ。 それとも無理矢理上げさせればいいのかな?」 恐る恐る顔を上げる。 するとすぐに――。 【蘭】 「ちゅ……」 【小鳥】 「んっ……」 唇が、重なった。 頭の上から先生の匂いに襲われるみたい。 消毒液と柑橘系の入り交じった匂い。 少しだけ心臓が跳ねて。 だけどそれはきっと、 無理矢理上げられた腕がきしんだから。 すぐに胸の音は静まった。 【小鳥】 「っふ……」 薄目を開けて、先生の顔を見上げる。 まぶたが触れ合いそうな距離で、先生と目が合った。